複数のスターリンクアンテナを同じ場所で設置し、運用することが可能です。しかし、最適なパフォーマンスを得るためには、以下のガイドラインが参考になるかもしれません。
複数のスターリンクアンテナの設置にあたっての考慮事項
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障害物の最小化
各アンテナは、地平線上20°以上の高さで360°のクリアな視界が必要です。障害物がある場合は、アンテナをポールや台座に設置して視界を確保してください。
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最小間隔距離
アンテナ同士は中心から中心まで最低0.9メートル離して設置してください。
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マウントの向き
マウントは水の流れを促すために8°傾けられています。複数のアンテナを設置する場合、互いに離れる方向に傾けることで干渉を避けてください。
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ディッシュと電源ユニットの向き
コネクタが下向きまたは横向きになるように設置し、雨水が溜まらないようにしてください。
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シーラントの使用
シール内部や周辺には非硬化型シーラントを使用し、ケーブルが完全に挿入された後、外側の接続部にのみ防水処理を施してください。
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イーサネットケーブル
ケーブルに折れ曲がりがないように注意してください。
複数アンテナのネットワーキング
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同梱のWifiルーターを使用する場合
各アンテナに付属のWifiルーターを個別に設定し、同じネットワーク名(SSID)とパスワードを使用します。これらは独立したシステムとして機能しますが、Starlink Mesh機能は利用できません。これは、ルーター間でデータが共有されず、一つのアンテナがネットワーク接続を失った場合、関連するWifiはインターネットを提供しなくなることを意味します。
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サードパーティ製ルーターを使用
Peplink、Cisco、Fortigate、Versa、Silverpeak、Arubaなどのサードパーティ製ルーターを使用して、単一のサイトで複数のスターリンクアンテナを相互接続する高度なネットワーキングを実行できます。これにより、負荷分散、フェイルオーバー、リンクアグリゲーション、IPSECトンネリングなどの機能を提供できます。
SD-WANルーターを使用する場合のパフォーマンスの最適化
SDWAN(Software-Defined Wide Area Network)を使用する場合、パフォーマンスを最適化するために以下の点を考慮してください。
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負荷分散
すべてのアンテナ間で均等な負荷分散を行い、スループットを最大化してください。
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ヘルスチェック
Starlinkから発生する短時間のアウトエージに対処するため、ヘルスチェック(例:ping)を設定してください。例えば、10秒ごとにチェックし、5回連続で失敗した場合は接続を「ダウン」としてフラグを立てるなどが良い閾値です。
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スループットの考慮
アンテナの視界を遮る障害物がある場合、接続の断続的な中断が発生し、そのアンテナの全体的なスループットが低下する可能性があります。トラフィックシェーピングを行う際には、これを考慮に入れてください。
契約方法と料金
現在SDWANによる接続について、使用できるアンテナキット、料金等については確認中です。
複数のスターリンクアンテナを使用することで、冗長性、信頼性、およびネットワークの効率性を高めることができます。上記のガイドラインに従って設置と設定を行うことで、スターリンクシステムの全体的な性能を向上させることが可能です。
こちらのFAQは以下の公式トピックを参考に再編集しています。
https://starlink-enterprise-guide.readme.io/docs/using-multiple-starlinks
※画像はstarlink.comより引用